ケアマネージャーの仕事の中心は、ケアプランの作成やモニタリングであるが、利用者や家族との接点にいる以上、相談援助の仕事も欠かせない。そのため、相談援助の原則やスキルについても、しっかりとマスターする必要がある。そもそも相談援助の究極的な目的は、利用者や家族の社会生活上の問題解決である。実はケアマネージャーが行うケアプランの作成なども、この目的達成に向けてのプロセスの1つに過ぎない。そして仕事で必要になる相談援助の技術といえば、「バイステックの7つの原則」が最も有名だ。原則の1つ目は「個別化の原則」と呼ばれ、利用者や家族それぞれが抱える独自のニーズに対して、個別的に対応しなければならない。そして、原則の2つ目には、「意図的な感情表出の原則」が挙げられる。これは実際の相談援助にあたっては、利用者や家族が自由に表現できる環境下で実施されるべきことをいう。続いて3つ目は、「制御された情緒的関与の原則」である。利用者や家族が表出した感情には、その意味を理解した上で、援助目的にそった反応をすべきことである。4つ目の原則は「受容の原則」であり、利用者や家族の姿や感情に対しては、ありのまま受け入れるべきとする。同時に、勝手な価値観や社会通念で、そのような利用者や家族を評価してはならないのであり、これが5つ目の「非審判的態度の原則」である。そして6つ目の原則は、「自己決定の原則」だ。援助の中心はあくまで利用者や家族であり、その意思を尊重しながら条件や決定をサポートすべきである。そして、7つ目の最後の原則は、「秘密保持の原則」である。ケアマネージャーの仕事は個人情報と接する部分が多く、それを他人に漏洩するのは厳禁である。